山村力(やまぢから)コンクール

山村再生プロジェクト

審査委員会  会長メッセージ

審査委員会会長立松和平「山は始源である」

 森は始原である。水が生まれ、生命のはじまるところである。
 ここで起こっていることが、下流や海を決定づけるといってよい。地球全体を考えるなら、森は一番の聖地なのである。
 森の力をもらい、その聖地で生きることは、叡智があってはじめてできるといってよいだろう。そのために人はいろんなことを考え、行動しているものである。そんな人の力によって湧き上がった森の力が集まった、山村力として結晶する。 
 山村力が働けば、眠っていた森は甦り、命がみなぎる。始原に元気がでれば、下流域や海に暮らす人々も元気になる。
 この時代に、山村力の貴さ強さを見せてもらいたいものである。多くの人の視線を浴びれば、一人で苦労し孤立しているのではないという自覚が生まれ、他の人や地域との共同性も生まれるものだ。
 どんな時代でも私たちがつくったものだが、傍観者として手をこまねいて見ているだけでは、何も変わらない。山村は森の中に静かに鎖されていってしまうばかりである。山の生態系にはもちろん鳥獣虫魚や草本がなくてはならないのは道理だが、その中に人間の生態系もなくてはならない。そうでなければ、私たちの生きる場所がなくなってしまうではないか。山で生きるための叡智と行動力とを、切なる気持ちで求めるしだいである。
 始原である山からすべては動き出したという時代を、私は待望する。どんな声が届くのか、まことに楽しみなことだ。

審査委員会会長立松和平サイン
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